本年第4回になる「ニホンミツバチ養蜂研究会」を12月11日(日)に、京都市右京区の京都学園大学みらいホールにて開催しました。北は宮城県、南は宮崎県まで、ほぼ全国から約200名のニホンミツバチ愛好家の皆さんが参加され、盛り上がりました。「ニホンミツバチ養蜂研究会」は私たちの京都ニホンミツバチ研究所と京都ニホンミツバチ週末養蜂の会(代表・志賀生実氏)が主催し、京都学園大学にご後援頂きました。今回は、近年のニホンミツバチの衰退の主因となっているダニとウイルスについて焦点をあて、ニホンミツバチの保全と養蜂の促進につながる知見を共有し合いました。
まず、前田太郎氏(農研機構 生物機能利用研究部門)による「アカリンダニと蜂児出し―その現状と、対策の確立に向けて」と題した講演が行われました。ミツバチに感染するサックブルードウイルスの基礎的知見の紹介と、蜂児出しとの関係、ニホンミツバチにおける調査についてご紹介いただきました。引き続き、坂本佳子氏(国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター)による「なぜアカリンダニが増えたのか?―共進化から解く外来種問題―」と題した講演が行われました。ニホンミツバチに寄生するアカリンダニとミツバチとのユニークな共進化過程についての研究について、ご紹介いただきました。
講演会の後のパネル討論では、アカリンダニの寄生を克服しつつある事例が見受けられるという京都学園大の報告(本年の日本環境動物昆虫学会で報告した内容)のあと、質疑応答が行われました。ニホンミツバチの保全と養蜂の促進を願う参加者から、多くの質疑が出され、予定時間を超える熱い討論がありました。志賀生実氏による閉会の挨拶の後、場所を大学内のレストラン・THE COMMONS Gに移しての交流会が開かれました。参加者によるパネルや展示を見ながら飲食を共にし、終始和やかな交流が出来ました。