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ハチ博士のミツバチコラム(40)女王バチ、雄バチ、働きバチのうち、どのハチになりたい?


 これまで3種類のハチの特徴を書いてきました。女王は唯一無二で特別扱い。誕生後間もなく婚姻飛行に飛び立ち、抜群の飛翔能力を持つ十数匹と空中で交尾をします。婚姻飛行から巣に戻れば一切外出せず、寿命の3年間ほど特別食のロイヤルゼリーを毎日ふんだんに与えられ、一日千個以上の産卵を続けます。身の回りの世話は全て働きバチ達がこなしますので、結局仕事は毎日卵を産んで仲間を増やすことだけですね。

 雄バチは春から夏にかけて働きバチの10 %程度の数だけ誕生します。無精卵から生まれるので女王バチと同じ遺伝子を持ち、そのためか巣箱の中では女王に無視されます。毎日ランデブーの場所に飛び立ち、他群の雄バチたちと一緒になって、婚姻飛行の女王バチを待ちうけます。そして女王バチに殺到し交尾しますが、交尾できる確率は1%ほど。ことが済めば、交尾器がちぎれて雄蜂は空中で即死。交尾できなかった雄バチは巣に戻り、エサを貰ってブラブラしています。そうです、交尾以外に仕事しなくて良いのです。でも、交尾の季節が終わると、厄介者扱いされて、エサも貰えず、巣を追い出されて野垂れ死にするしかないのです。

 働きバチはメスなのに、女王の出すフェロモンで卵巣が機能しなくなっており、女王の産卵を手助けする立場になっています。働きバチはミツバチの社会の労働を全て荷なっています。重労働のために寿命も大体40日位と短く、生きている間中働き詰めです。ただ、数が多いので代わり合って休みも取っているし、働かされていると言うより大事なことをテキパキ実行して、群を支配しているように見えます。

 さて、もしミツバチに生まれ変わるとしたら、あなたはどのハチになりたいですか?私は以前ミツバチになった夢を見たことがあります。「ミツバチは好きだけど、ミツバチにはなりたくないよ~。」と叫んでいる夢でした。(中京しんぶん 2015年11月15日号掲載、挿絵 おおくぼひとみさん)


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