第3回ニホンミツバチ養蜂研究会報告


 わが国で近年急激に被害が広がっているアカリンダニと、昔から愛好者を悩ませてきたスムシの現状と対策をテーマに、第3回ニホンミツバチ養蜂研究会が10月4日(日曜日)に、京都学園大学・みらいホールにて開催されました。主催者は京都ニホンミツバチ研究所と京都ニホンミツバチ週末養蜂の会で、京都学園大学が後援しました。養蜂家・養蜂愛好家に関心が高く、230名を越える参加者が北は青森、南は鹿児島から集まりました。

 冒頭主催者側を代表して京都ニホンミツバチ研究所の坂本文夫から、「世界的にミツバチの受難の時代が続いているが、ニホンミツバチも例外ではない。特に、海外からの脅威が迫っており、ニホンミツバチの危機を認識し、適切な対策が必要。この研究会をその第一歩にして欲しい。」と挨拶がありました。

 次に、農業生物資源研究所の前田太郎博士より、「ニホンミツバチが危ない。~アカリンダニの脅威」と題した講演があり、アカリンダニの生態、ニホンミツバチにおける感染の実態とメカニズム、症状と診断方法、治療方法と感染予防対策等が分かり易く述べられました。感染の広がりは東日本から西日本に広がりつつあり、今年の春に九州、先週には四国でアカリンダニ症が確認されたそうです。まさに現在進行中のニホンミツバチへの脅威の実態が生々しく報告されました。

 続いて、国立環境研究所の坂本佳子博士より、ホットな実験データをもとに研究の最前線が述べられました。日本のアカリンダニは遺伝子解析の結果から、ヨーロッパを起源とし、現在世界中に急速に拡大しているものと同一と考えられるそうです。国内ではセイヨウミツバチでは感染例が少なく、ニホンミツバチに好発する理由にはニホンミツバチの行動や生態が関係しているという仮説の元に研究が展開中で、ニホンミツバチの危機を救う成果が期待されます。

 最後に、俵養蜂場の俵博氏から、「ハチノスツヅリガ(スムシ)の新しい対策」と題して、スムシの生態、被害の実態、対策が述べられました。最近ニホンミツバチのスムシ対策に、セイヨウミツバチの空の巣枠を殺虫処理するために使用されるB401が注目されています。この製剤に使用されているBT菌はヒトやミツバチには無害ですが、スムシの幼虫には容易に感染して、成虫になるまでに殺してしまう理想的な殺虫剤といえます。

 参加者の大部分はニホンミツバチの養蜂愛好家でしたが、ミツバチの研究者や環境問題の専門家や作家、ジャーナリストなど多士済済でした。講演会の後に開催された交流会では、ミツバチの気管を採取してアカリンダニの有無を検査する方法の実演や、分蜂誘引剤の展示、巣箱リフトや書籍の展示が行われ、お茶を飲みながら講演者との質疑応答や参加者同士の交流会が行われました。

 参加者の感想としては、「ニホンミツバチの脅威について認識を新たにすることが出来た。」、「身近に大変な事態が迫っていることがショックだった。」「大変勉強になった。若い研究者がニホンミツバチの研究に真剣に取り組んで居ることを知って嬉しかった。」などが寄せられ、大変充実した研究会になりました。参加者に配布した資料(A3サイズで13ページ)を希望者に進呈しますので、問い合せのページからお申込み下さい。メール添付でお送りします。


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